多くの学校で見られる二宮金次郎石像
日本各地に様々な石彫刻が設置されていますが、小学校などでよく目にするのが二宮金次郎の石像でしょう。弊社のある愛知県・岡崎産地でも戦前より二宮金次郎の石像が多く製作され、岡崎市内はもとより全国各地へと納められていきました。
二宮金次郎は江戸時代末期を生きた方で、幼い頃は比較的裕福な農家の家庭で育ったようですが、14歳で父親を、16歳で母親を亡くされ、無一文の孤児になってしまった。そのような中でも、前を向き、しっかりと生きていくために、背中に薪を背負って懸命に働きつつ、人生の指針を手にするために本を読む。石像などでもよく見る勤労・勤勉を示す姿ですが、それと共に、一歩踏み出して「どんな時も行動する」ことを示す姿勢も、金次郎の生き方を表す大切な要素となっているようです。
金次郎の名が全国に知られるようになったきっかけは明治期の教科書にその生き方が紹介されたこと。それにより全国の子供たちや保護者に知られるようになっていき、卒業生やPTA、地域の方から小学生たちに石像や銅像が寄贈されるようになっていったそうです。
ちなみに愛知県岡崎市内の小学校では42校中31校に金次郎像(石像)が建立されているとのこと。この高い数値も、岡崎産地での豊富な製作実績を示す一つの指標になるものと思われます。ちなみに、岡崎市内に現存する最も古い金次郎石像は愛知県立岡崎聾学校にある昭和4年に製作されたものだそうです。
日々反省を繰り返している自分にとって、金次郎のような生き方には一向に近づけない状態が続いていますが…、今年、自分が掲げている目標は「良いと思ったことは、すぐに行動!」。常に「一歩踏み出す姿勢」を大切にしていきたいと思います。(山口康二)
※参考:『二宮金次郎に学ぶ生き方』